さくら酒店もたくさんのインポーターやレストラン経営者をはじめ、日本酒ビジネスに関わる方との接点を期待して参加を決めたのですが、想像以上にスペインでの日本酒市場の高ぶりを肌で感じることができました。
本記事ではスペインでの展示会レポートをお伝えしながら、日本酒のマーケット情報をお伝えしていきます。
スペインでの日本酒市場の現状

「スペインで日本酒は受け入れられるのか?」もしかしたら、そんな疑問を感じる方もいるかもしれません。
しかし、まだまだ市場規模こそ大きくないものの、2024年の輸出実績では、金額ベースでは17位、数量ベースでは18位という位置付けです。また2023年度比でいうと、金額ベースでは132%、数量ベースでは122%という成長も見られています。
また、すでに世界で人気の銘柄「獺祭」はスペインでも多くの人に認知されており、今回の滞在先であるマドリードでは気軽に購入することが可能でした。
なぜスペインの展示会「Iberkanpai」に参加したのか

今回スペインでの出展を決めた理由は、弊社としてはヨーロッパの中では未開拓の市場であり、日本酒の需要が高まっていると、事前のセミナーを通じて感じていたからです。
また、昨今のヨーロッパでの和食や日本酒の話題性を考えると、近い将来、スペインでも日本酒がさらに裾野を広げていくことは間違いないと考えているためです。
「Iberkanpai」(イベルカンパイ)の詳細

Iberkanpaiは、2025年5月12日と13日に開催された、スペイン初の本格的な日本酒・和食文化プロモーションイベントです。初開催ながら2日間で650名の業界関係の来場者を集めており、そのことからも、スペインでの日本酒熱を感じることができました。
出展者は日本の酒類製造者や輸出者、食品メーカーなど。スペインからもインポーターやディストリビューターが出展しています。一方で来場者は、レストラン関係者、ソムリエ、インポーター、ディストリビューターなど。基本的にはスペインからの参加ですが、中にはオランダやポルトガル、フランスからの参加者も見られました。
スペイン市場の可能性が見える!展示会で得たリアルな日本酒事情3選

ここからは、具体的にスペインの展示会で感じたこと、気づいたことを簡単にお伝えしていきます。
日本酒リタラシーが非常に高い
とにかく驚いたのが来場者が日本酒にとても詳しいこと。
「山廃」、「生酛」、「生原酒」、「古酒」など、日本人でも業界人でないと理解していない単語を知っている方が非常に多く、製造方法についても、細かいところまで理解されている方が多い印象を受けました。
特徴的な商品への関心が強い
料理を引き立てる食中酒タイプは、日本では非常に人気が高いものの、スペインではそういった商品よりもよりインパクトの強い商品が好まれる傾向がありそうです。
酸の強い癖のあるタイプや、濃厚の味わいのもの、比較的、通好みの商品がスペインでは広く愛される商品になる可能性を感じています。
以下は、我々が今回出展した商品の一例です。
他にも、9商品を加えた計13商品。
それぞれ、かなり味わいの異なる商品を展示させていただき、スペインの方が好む味わいについて知見を得ることができました。
もしより詳しい話が聞きたいというインポーターやレストランの関係者がいらっしゃいましたらぜひお気軽にお問い合わせください。
ペアリングの重要性
レストランや宿泊施設の関係者、ソムリエの方も多かったため、ペアリングやマリアージュについて重要視している方が多くいらっしゃいました。
特にレストラン関係者は、日系レストランはもちろんのこと、創作系のお店でも、新しいお店の目玉として、日本酒に着目をしている方が多く、お料理との相性についての質問を多くいただきました。実際に、自店の料理にマッチングする味わいかを考えてテイスティングをされていた印象です。
最後に
ワイン文化の根付くスペインですが、日本酒の可能性をとても感じることができたスペイン出張でした。
事前のセミナーでも、特徴的な味わいが好まれるという傾向は聞いていたものの、実際にフィードバックを受けながら、その傾向を確信できたのはとても貴重な機会でした。
また、冒頭でも書いた通り、これからヨーロッパ各国での日本酒の盛り上がりは間違いない、そんな確信を得ることができました。
当社さくら酒店はヨーロッパ圏を含む20カ国以上での輸出実績があります。これから、スペインやヨーロッパで日本酒を展開していきたいという業界関係の方がいましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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