今回は、最新データから見えてきた「これは見逃せない!」という3つのトレンドをご紹介します。海外展開を考えている蔵元さんや輸出業者の方は、ぜひ参考にしてみてください!

※本記事のデータは日本酒造組合中央会および日本政府観光局の公表情報に基づいています。
1.プレミアム市場が熱い!各国で単価上昇中
まず注目したいのが、「1Lあたりの輸出単価」の変化です。こんな国々で大きく伸びています。
- イギリス:前年比111%(なんと11%アップ!)
- ドイツ:前年比117%
- イタリア:前年比130%(3割も上昇!)
- ブラジル:前年比120%
つまり、「より高価格帯の日本酒が売れるようになってきた」ということ。海外では「安いからたくさん売れる」よりも「高くても品質の良いものが売れる」という流れが加速しているんです。
特に興味深いのは、従来あまり日本酒市場として注目されていなかった国々でも、プレミアム化が進んでいること。「良いものには価値がある」という認識が広がっているようです。
プレミアム日本酒って何?
ちなみに「プレミアム日本酒」とは一般的に:
- 小さな蔵元の少量生産品
- 特別な酒米(山田錦など)を使用
- 手間ひまかけた伝統的製法
- 大吟醸や純米大吟醸などの高級カテゴリー
といった特徴を持つお酒のことを指します。最近では蔵元の個性や地域性を前面に出した商品も人気です。
2.ヨーロッパで日本酒が大人気!和食ブームとの相乗効果
先ほどの数字を見てもわかる通り、ヨーロッパ市場がアツいです!特にイギリス、ドイツ、イタリアといった国々での単価上昇が目立ちます。
「なぜヨーロッパで日本酒が売れているの?」その理由はこんな感じ:
EU全体での輸出増加日本酒造組合中央会の発表によると、EU(イギリス含む)全体の輸出額は約27.2億円(昨対比:116.2%)となり過去最高を記録しました。特にワイン文化が浸透しているドイツ・フランス・イタリアでも過去最高額を記録するなど日本文化・日本食ブームが続き、ファインダイニングとよばれる富裕層向けのレストランで新たに日本酒を提供する機会も増えています。
ワイン文化との親和性SAKETIMESによると、「ワインのおいしさを理解できる人は、日本酒のおいしさも理解できる」という考え方が広がっています。欧州では、どの食材や料理と合わせるかが重視されるため、ペアリングの提案が重要になってきています。
日本食文化の浸透日本食レストランの増加に加え、日本への観光客増加による体験効果もあります。2024年は訪日観光客が過去最高の3,600万人を超え、日本酒への関心が高まっています。また2024年12月には「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録され、さらなる認知度向上が期待されます。
これからもヨーロッパ市場は伸びそうです。特に「この地域ならではの特別な酒」といった、ストーリー性のある商品が人気を集めそうです。
3.韓国の日本酒ブームが本格化!若者中心に人気急上昇
最後に注目したいのが、お隣・韓国の動き。こんな数字が出ています。
- 輸出額:前年比129%(約3割増!)
- 輸出数量:前年比116%
- 訪日韓国人観光客:前年比127%(過去最高)
韓国からの訪日観光客が増えたことで「日本で美味しい日本酒を飲んだ→韓国でも飲みたい」という流れが生まれています。特に20〜30代の若い世代を中心に、Instagram(インスタグラム)などのSNSで「#日本酒」「#sake」といったハッシュタグとともに投稿される機会も増加中。
韓国市場の面白いところは:
- スパークリング日本酒など新しいスタイルが人気
- 若い女性の愛飲者が多い
- オンラインショッピングでの購入が主流
- 日本酒カクテルなどアレンジも人気
日韓関係の改善とともに、この「日本酒ブーム」は今後も続きそうです。


まとめ:2024年、日本酒輸出はこう動く!
2024年の日本酒輸出データから見えてきたのは、こんなトレンドです:
- プレミアム化が進行中:高いけど良いものが売れる時代に
- ヨーロッパ市場の急成長:和食ブームとの相乗効果で需要拡大
- 韓国市場が熱い:若者中心に日本酒人気が急上昇中
弊社でも、特にヨーロッパのお客様からの問い合わせが増えており、「もっと高級な商品を扱いたい」「プレミアム商品のラインナップを見せてほしい」といったご相談も増えています。
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